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 2010年11月6日から8日間に渡って行われたドイツ・レヴァークーセンのジャズ祭、レヴァークーゼナー・ジャズターゲ。今年は、ギター・ファンが泣いて喜びそうなスペシャル・プログラムが3日間組み込まれていた。

Leverkusener Jazztage 2010 - Masters of Guitar programs-
初日(11月6日) Masters of Acoustic Guitar:
パコ・デルシア(g)/アル・ディメオラ(g)/ジョー・ロビンソン(g,vo)
3日目(11月8日) Masters of Blues Guitar:
ジョニー・ウインター(g,vo)/エリック・サルディナス(g,vo)
4日目(11月9日) Masters of Electric Guitar:
ジョン・スコフィールド(g)/アラン・ホールズワース(g)/スティーヴ・ルカサー(g,vo)
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パコ・デルシアとアル・ディメオラの“仲直り共演”
 人気ギタリストのオンパレード! アコースティック、エレクトリック、ブルースの3つのギター界で人気と実力を誇るギター・マンたちが個性的なライヴを観せた中で、最も注目され話題になったのは、初日に行われたパコ・デルシアとアル・ディメオラの“仲直り共演”である。この日まで約14年間ひと言も口をきかない絶縁状態にあった2人は、まるでお互いにそのギャップを埋めるように、楽しそうに笑顔を見せながらデュオで1曲プレイした。それは、熱心なファンなら何をやったのかすぐに察しがつくかも知れないが、この2人がジョン・マクラフリン(g)と組んだスーパー・ギター・トリオの名盤アルバム『フライデイ・ナイト・イン・サンフランシスコ~スーパー・ギター・トリオ・ライヴ!』(81年)に収録されていた名曲だった。この2人の共演に関する詳しいことは、上記したギター・マンたち(サルディナスをのぞく7人)のライヴの様子と各人の使用機材のことなども含めて、12月14日発売のジャズライフ2011年1月号でレポートしている。ギター好きの方は、ぜひジャズライフ1月号をチェックしていただきたい。

Masters of Acoustic Guitar
 さて、ここからはジャズ祭に出演したギタリストを中心に、その出演順に写真で紹介してみたい。
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 アコースティック・ギターにサム・ピックを使ったフィンガー・スタイルで素晴らしいプレイを観せた、オーストラリア出身のジョー・ロビンソン。ソロ・デビュー作『バードシード』をリリースしたのは、いまから4年前、なんと15歳の時!
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 こちらは、アル・ディメオラのアコースティック・プロジェクト、ニュー・ワールド・シンフォニア。
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 そして、情熱的なフラメンコダンスもフィーチャーして、目と耳で楽しませてくれたパコ・デルシアのバンド。パコ・デルシアとアル・ディメオラの“仲直り共演”は、このライヴのアンコールで行われた。

Masters of Blues Guitar
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 ジョニー・ウィンターのステージ。2曲プレイしたアンコールの1曲目には、この日ジョニーのサポート・アクトを務めたエリック・サルディナスが、ドブロ・ギターにボトルネックで飛び入りした。ジョニーは、1年半前にインタヴューした時(『永遠のブルースマン~ジョニー・ウィンター』/文末のリンク集参照)よりも頬の辺りがちょっとふっくらとした感じで体調も良さそうだった。

Masters of Electric Guitar
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 ドラムのビル・スチュワートとベースのスティーヴ・スワロウとのトリオで出演して、もっともジャズ的(?)なプレイを観せたジョン・スコフィールド。
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 プロ・アマを問わず、世界中のギタリストが熱い視線を向けるアラン・ホールズワース。ホールズワースのギターのプレイ・スタイルやサウンド、音楽性は、まさにワン・アンド・オンリーだ。
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 スティーヴ・ルカサーのプレイは、ポピュラー・ミュージックが好きな人なら、彼の最近のソロ活動やTOTO以外にも必ずどこかで無意識のうちに聴いている。70年代からスタジオ・ミュージシャンとして超売れっ子だったことを、どこかのサイトで見たインタヴュー・ビデオで本人が語っていた。それによると、TOTO時代にマイルス・デイヴィスから「俺のレコーディングに参加しろ」と言われたが、忙しすぎたのでマイルスのその誘いを丁重に断ったそうだ。もったいない。
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 ルカサーの最新アルバム『オールズ・ウエル・ザット・エンズ・ウエル』に収録されている新曲を中心に、ロック・テイストあふれるステージを展開したルカサー・バンドの紅一点。演奏はもちろんのこと、メンバーの中でただひとり踊りながらプレイするそのルックスもなかなかクールだった女性ベース、レネ・ジョーンズ。

*** つづいてここからギター・プログラム以外のライヴ ***

実力派ドラマー3人が自己のバンドでコンサートを行ったDrum Word
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 ジャズ祭5日目に行われたドラム・ワールドのトップバッターは、サックスとピアノとベースを加えたクアルテットで出演したマヌ・カッチェ。素晴らしい演奏を観せたマヌは、オーディエンスの盛大な拍手を受けながら最後にこう言った。「申し訳ないけど、僕がこれ以上ステージを占領しているわけにはいかない。このあとまだまだ素晴らしいドラマーが登場するんだ。このステージに立つことができて光栄だよ」。
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 2番手はオマー・ハキム。サックスのボブ・フランセスキーニやベースのジェリー・ブルックスなど、気心の知れた友人たちにサポートされて、洗練されたドラミングと素晴らしいオリジナル楽曲の数々をのびのびと披露した。
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 そして、この日のトリは、“元祖ドラムの手数王”ビリー・コブハム
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 コブハムは非常にひょうきんな人だ。演奏中、筆者のカメラに向かっておどけた表情を観せてくれた。
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 4本スティックの妙技も観せたドラム・マスター。
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 スティール・ドラムも加えたビリー・コブハム・バンドのライヴ。アンコールでプレイされた「ストレイタス」は、ぐっとテンポを落としてはじまったあと、コブハムのスネア・ロールから一気にスピードアップした。途中で各人のソロが展開して行くのはいつも通りだったが、エスニックなワールド・ミュージック風味を取り入れて新しいアレンジが施されていたのが新鮮だった。ドラムが主役のこの日は、ちょっと年齢層が高めの男性客が数多く詰めかけていた。

Voices of Africa
 6日目は、アフリカ中央部コンゴ民主共和国出身のシンガー、ロクア・カンザが自身の歌とアコースティック・ギターの美しいサウンドで会場を包み込んだあと、西アフリカ・マリ出身の人気シンガー、サリフ・ケイタが登場。
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 サリフ・ケイタのバンドは、コンガやジャンベ、カラバシ(大きなヒョウタンを半分に割ったものを伏せてそれを手で叩く)などの打楽器奏者3人と、ギタリスト2人、ベース、ゴニ(コラに似た弦楽器)、それに女性シンガー2人という総勢10人の大所帯で、ゴニ奏者のアクロバチックなプレイやジャンベ奏者の叩きまくりなどのソロ・パフォーマンスも織り交ぜながら、ダンサブルなステージを展開した。
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 西アフリカのビートで踊りまくる会場に向かって「君と君、それからあなたも」と、オーディエンスを指差して……
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 20人ぐらいの観客を舞台に引っ張り上げて踊らせる。以前、別の記事『ジャズの根源、ディープ・ウエスト・アフリカ~音楽編』(リンク集参照)にも書いたが、アフリカでは、ミュージシャンがコンサートで演奏している時、そのステージに聴衆が上がり込んで一緒に踊りだすのは当たり前のことなのだ。

2010年のジャズターゲのメイン会場フォーラム
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 ホール内では出演アーティストたちのCDやポスター、ツアーTシャツ、それにジャズ祭のTシャツ(今年も主催者がジャズライフ読者へのプレゼントに提供してくれた!)などのグッズも売られている。
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 ドリンク売り場。ケルンの地ビール(ビン入りと生の両方がある)やソフト・ドリンク、ワイン、ゼクト(スパークリングワイン)、ウォッカなどがプライス・リストに記されている。価格は、ビールやコーラなどが1WM、ワインは2WM……???
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 CDやTシャツなどのグッズは現金で販売されているが、ドリンクやスナックを買いたい人は、まずはこのようにWM(Wertmarke/代用貨幣)を手に入れてから売り場へと向かう。1WMは2.50ユーロだった。
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ブラボー!

リンク集:
●ジャズライフ (jazzlife.co.jp)
●レヴァークーゼナー・ジャズターゲ(Leverkusener Jazztage 2010)
●ロックパラスト・ギター・スペシャル (2008年のジャズターゲ/本サイト内の記事)
●ジャズの根源、ディープ・ウエスト・アフリカ~音楽編 (西アフリカ・ブルキナファソ旅行記/本サイト内の記事)
●永遠のブルースマン~ジョニー・ウィンター (2010年5月に行ったジョニー・ウィンターへのインタヴュー/本サイト内の記事)

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by reijimaruyama | 2010-12-17 14:08 | Jazz Festival

 ドイツ中西部のライン川沿いにある小都市レヴァークーセンは、ゴシック式の大聖堂(Dom)で有名な文化都市ケルンから北に車で15分たらず、日本人駐在員の数が多いことでも知られる商業都市デュッセルドルフからは南へ車で20分ほどのところにある。この街で毎年11月に開催されるLeverkusener Jazztage(レヴァークーゼナー・ジャズターゲ)は、老練のベルリン・ジャズや北ドイツのジャズ・バルティカなどと共に、ドイツ国内では“指折りのジャズ祭”のひとつとして音楽ファンの間で定着しているジャズ・フェスティヴァルである。
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Leverkusener Jazztage 2008
November 01 - 09 2008 Leverkusen, Germany


 第29回目を迎えた2008年のJazztageは、11月1日から9日までレヴァークーセン市内にあるコンサート・ホールやクラブなど、合計7つの場所で48アーティストのライヴが行われた。中でもメイン会場となったホール“フォーラム”で組まれていたプログラムが注目の的で、目玉は、何といっても6日目(11月6日)に出演したチック・コリア(p,kb)とジョン・マクラフリン(g)の双頭ユニット“ファイヴ・ピース・バンド”だった。バンドのメンバーは他に、ケニー・ギャレット(as)、クリスチャン・マクブライド(b)、ヴィニー・カリウタ(ds)という強者ミュージシャンで固められている。この顔ぶれを見ただけで、そのステージがどのようなものであったか、フュージョン・ファンならすぐに察しはつくだろう。このライヴの様子とレヴァークーセン・ジャズ祭リポートは、ジャズライフの2009年1月号で詳しく報告した。また、“ファイヴ・ピース・バンド”は、欧州各国22都市を回ったその2008年ヨーロッパ・ツアーの模様を2枚組のライヴ・アルバムにして翌2009年2月に発表し、ジャズライフ3月号ではそのアルバムをフィーチャーした特集記事が組まれた(これらの記事の一部を見る)。さらにバンドは、ライヴ盤のリリースに合わせて同2月に来日。ブルーノート東京で行われたそのライヴでは、ヴィニー・カリウタに代わってブライアン・ブレイドがドラムを叩いている。
 さて、ここでは2008年のジャズ祭3日目(ロックパラスト・ギター・スペシャル)に出演したドミニク・ミラー、エイドリアン・ブリュー、リヴィング・カラーのライヴを、ジャズライフの誌面に収めることができなかった写真と共に紹介してみたい。

“Rockpalast Guitar Special”とタイトルがつけられた3日目のプログラム
トップ・バッターはスティングのギタリスト

 この日は、ギター・ファン向けの3本立てライヴが行われた。まずは、スティングの“右腕ギタリスト”として、これまで20年近くに渡ってアルバムとライヴの両方からスティングのサウンドを支えてきたドミニク・ミラー(g)が自己のグループで登場。ドミニクは、ニコラス・フィースマン(b,g)とラニ・クリヤ(perc)、それにレベル44のメンバーでもあるマイク・リンドアップ(p)の4人編成で、ドミニクのソロ1作目『ファースト・タッチ』(96年)の収録曲を中心に、これまでに4枚出している自身のアルバムの曲や、スティングがドミニクの曲にフランス語の歌詞を付けて歌った「悔いなき美女」(スティングの96年のアルバム『マーキュリー・フォーリング』に収録した曲)のインスト・ヴァージョンなどを披露。ナイロン弦のアコースティック・ギターによる美しいサウンドと楽曲でオーディエンスを魅了した。
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Dominic Miller

Adrian Belew Power Trio
 2番手は、エイドリアン・ブリュー(g,vo)・パワー・トリオ。エイドリアン・ブリューは、70年代後半にロック界の大奇才フランク・ザッパに見いだされて世界デビューした後、デヴィッド・ボウイ(vo)のバンドやトーキング・ヘッズ、トム・トム・クラブ、ベアーズなどで活動。82年にキング・クリムゾンに参加し、現在に至るまでクリムゾンの中心人物ロバート・フリップ(g)に次ぐ重要メンバーとして活躍。1982年にソロ1作目『ローン・ライノウ』を発表して以来、これまで多岐にわたる音楽スタイルによるリーダー・アルバムも数多くリリースしている。
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Adrian Belew
 そのライヴは、バンド名が示す通りにエネルギッシュなステージ。しょっぱなからパワー全開の演奏を観せるブリュー。昔から“象の声”などのカラフルかつ奇妙なサウンドをギターで生み出すのを得意としていたが、このライヴでもループ・マシンやディレイ、エコー、フランジャーなど、いくつものエフェクトを駆使した得意技をたっぷりと披露。それを支えるバックのリズム隊2人は若い姉弟で、ベースの姉(ジュリー・スリック)は現在22歳、ドラムの弟(エリック・スリック)は21歳。ジュリーは、終始クールな表情で時々粋なアクションも観せながらキッチリとボトムを支え、エリックは、ブリューも思わず笑みをこぼすほど“イケイケ感”抜群の元気なドラミングで、主役ブリューのギター・プレイと共にこのトリオの見どころだった。

はだしのジュリー
 このライヴ終了後に行ったエイドリアン・ブリューのインタヴューもジャズライフ1月号に掲載されているが、当初その原稿の中に入れようと考えていながら、ひとつだけ書かなかったことがある。それは、ベースのジュリー嬢がステージの上で“はだしでプレイしていた”こと。その理由を終演後の彼女に聞いた。「2年前に行ったエイドリアンとの初ライヴで、かかとのついた靴を履いていたらコンサートの途中で片方のヒールが壊れて飛んじゃった(笑)。それでしかたなくはだしになってステージを続けたんだけど、それを見たエイドリアンがとても気に入ったの。だからそれ以来ステージではいつもはだしなのよ」。
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Julie Slick
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Eric Slick

Living Colour
 この日のラストは、80年代後半のメタル全盛時代に“黒人ヘビメタ・バンド”として注目されて人気を博した4人組、リヴィング・カラー。バンドの中心人物、ギタリストのヴァーノン・リードは、ロナルド・シャノン・ジャクソン(ds)のコンボへの参加やビル・フリゼール(g)と制作したアヴァンギャルドなアルバム『Smash & Scatteration』(84年)などが証明する通り、ジャズ畑でも立派に通用する実力の持ち主。リードは、ローランドVG-99(ギター・モデリング・システム)やコンピュータも駆使したぶ厚いギター・サウンドによるスピード・プレイを観せながら、ペダル・エフェクターを多用するベースのダグ・ウィンビッシュと共に、まさに生きた色彩のヘヴィなサウンドを作り出す。そして、そこにウィル・カルホーンのタイトなドラム・グルーヴが絡み、コーレイ・グローヴァーがシャウト。迫力と緊張感に満ちたスリル満点の演奏を展開した。今回のツアー中に書いたという新曲も披露したこの日のステージでは、結成から20年以上の時を経てもバンド内の創作力が落ちていないことを実証して見せてくれた。
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Doug Wimbish(b) & Corey Glover(vo)
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Will Calhoun(ds)
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Vernon Reid(g)
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 最後に、会場内にあったケルシュ(ビール)売り場。ドイツには地域ごとに実に数多くの種類のビールが存在する。その中でも全国的に人気のあるピルスは、見た目が黄金色に透き通り味もさっぱりとキレの良い苦みで日本のビールに似た感じ。ケルシュ(地元の人は“ケルチ”と発音する。少なくとも筆者の耳にはそう聞こえる)は、見た目はピルスに似ているが、ピルスよりもさらにのどごしが良くて飲みやすいケルンの地ビール。酒が苦手の筆者でも0.2ℓの細長いグラスで2杯ぐらいはイケる。

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by ReijiMaruyama | 2008-12-21 19:00 | Jazz Festival

 ノース・シー・ジャズ・フェスティヴァルは、毎年7月の第2週末の金、土、日の3日間に渡ってオランダのロッテルダムで開催される世界有数のジャズ・フェスティヴァルである。1976年に第1回目が開催されて以来、毎年ハーグ市内で行われていたこのジャズ祭は、2006年から開催地をロッテルダムに移した。現在その会場となっているロッテルダムのアホイ(AHOY')は、中央駅や観光名所があるロッテルダムの中心部とは港をはさんだ対岸の市内南部にある広大なイヴェント・スペース複合体だ。
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North Sea Jazz Festival 2008

 このジャズ祭の最大の魅力と特徴は「ジャズとジャズに関連するあらゆるスタイルを含む“広義のジャズ”の上質ライヴが大小いくつものステージで同時進行する」というその贅沢なスタイルである。その“ジャズ漬け”状態は尋常ではない。午後6時から夜中の2時過ぎまで、気力と体力と入場券さえあれば、有名アーティストのコンサートを1日に5つ観ることも可能だ。毎年、ジャズの大物ベテランや実力派の中堅、期待の新人はもちろん、ブルースやソウルの大御所、それにR&B、ファンク、ラテン、アフロ、ヒップホップ等の“ジャズに近い”領域で活躍する様々なミュージシャンが出演する。「ジャズは生きている。雑多で、そして常に動いている」。そんな主催者の言葉通り、出演アーティストは多岐にわたり、プログラムにはジャズ・ファンが「観たい!」と思うミュージシャンの名前がめじろ押しだ。

世界最大のインドア(屋内)・ジャズ祭
 こんなジャズ・フェス、他にない! 迫力満点のビッグバンドやゴリゴリのストレート・アヘッド・ジャズからコンテンポラリー・ジャズ、フュージョン、ロック、ラテン、ファンク、ソウル、あるいは“DJ電気系”まで、“量”とともに“質”の高さにおいても世界中の他のどのジャズ・フェスもノース・シーにはまず及ばないだろう。目の前でパット・メセニーが演奏しているかと思えば、すぐ隣のステージではハービー・ハンコックやウェイン・ショーター、カサンドラ・ウイルソンらがライヴを行い、1万人収容の大ホールにはポール・サイモンやアリシア・キーズなど“超”のつく大物人気アーティストが登場、さらにクラブ的な雰囲気を醸し出す小さめのホールでは注目の新人が熱演する。こんな状況だから出演するミュージシャン達も否応無しに気合いが入る。自由奔放なこの国オランダのオーディエンスの率直な反応も手伝って、ステージは白熱し、素晴らしいミュージシャンがまたさらにすごい力を発揮する。観客は演奏が気に入らなければどんどん席を立って別のホールへと自由に鞍替えすることができるため、アーティストにとっては、きびしい評価が下されることもあり、これがまた「自然と気合いが入る」要因にもなっているのは疑う余地がない。広い会場内に約15のステージが設けられ、3日間に合計200ちかい数のプログラムが繰り広げられる。ほとんどのコンサートが75分間で、聴いていてだらけない長さでちょうどよい。ノース・シー・ジャズ・フェスティヴァルは、ジャズやジャズのフィーリングを取り入れたコンテンポラリー・ミュージックが好きな人にはたまらない、3日間どっぷりジャズ漬けのオランダ北海のジャズ・マラソンである。筆者は、このジャズ祭を1999年から毎年取材しており、その記事はジャズライフに掲載されている。だいたい毎年9月号。興味のある方はぜひそちらもご覧になっていただきたい。ジャズライフに掲載されたノース・シーの記事の一部はこちら >>

 ここでは、2008年7月11日から13日まで盛大に開催されたジャズ祭の会場内の様子を写真で紹介してみよう。

1万人収容の大ホール“ナイル”
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会場内でもっとも大きなこのステージには、毎年、大物ミュージシャンが数多く登場する。開催第33回目となった2008年は、ポール・サイモンやジョージ・ベンソン、アリシア・キーズ、メイシオ・パーカー他が出演した。写真は、2008年7月12日(ジャズ祭の2日目)に行われたチャカ・カーンのコンサート。

2番目に大きな6000人収容“マース”の舞台の袖から
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アンジェリーク・キジョー(vo)・バンドのパーカッショニスト、イブラヒム

ステージ以外にも……
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飲み物や食べ物のスタンドも充実。さらに、Tシャツやキャップ他のマーチャンダイズ(ジャズ祭グッズ)をはじめとして、古いジャズのレコードやCD、サックスやギターやパーカッション等の楽器、ミュージシャンの写真やポスター、アート、アクセサリー等を売るお店も設けられている。
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ちょっと異様なオブジェ! よく見るとサックス・プレイヤーだった。

ちょっと失礼、楽屋拝見
 ここだけ2007年のショット。
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大ホール“ナイル”のバック・ステージにあったケイティ・メルア嬢のドレッシング・ルーム(上)と、その2時間後に行われた彼女のステージ(下)。2007年7月13日撮影。
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3日間にのべ7万人の音楽ファンがアホイに集まる
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会場入り口の手前右側にもステージが設けられ、ファンキーなソウルやブルース・バンドなどが入場を待つファンを楽しませてくれる(上)。
こちらは、入場してくる人々を会場内のプレス・ルーム前から見たところ(下)。
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ジャズライフに掲載されたノース・シーの記事の一部をみる >>

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by ReijiMaruyama | 2008-07-31 23:59 | Jazz Festival