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第12回:ノース・シー・ジャズ・フェスティヴァル

 ノース・シー・ジャズ・フェスティヴァルは、毎年7月の第2週末の金、土、日の3日間に渡ってオランダのロッテルダムで開催される世界有数のジャズ・フェスティヴァルである。1976年に第1回目が開催されて以来、毎年ハーグ市内で行われていたこのジャズ祭は、2006年から開催地をロッテルダムに移した。現在その会場となっているロッテルダムのアホイ(AHOY')は、中央駅や観光名所があるロッテルダムの中心部とは港をはさんだ対岸の市内南部にある広大なイヴェント・スペース複合体だ。
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North Sea Jazz Festival 2008

 このジャズ祭の最大の魅力と特徴は「ジャズとジャズに関連するあらゆるスタイルを含む“広義のジャズ”の上質ライヴが大小いくつものステージで同時進行する」というその贅沢なスタイルである。その“ジャズ漬け”状態は尋常ではない。午後6時から夜中の2時過ぎまで、気力と体力と入場券さえあれば、有名アーティストのコンサートを1日に5つ観ることも可能だ。毎年、ジャズの大物ベテランや実力派の中堅、期待の新人はもちろん、ブルースやソウルの大御所、それにR&B、ファンク、ラテン、アフロ、ヒップホップ等の“ジャズに近い”領域で活躍する様々なミュージシャンが出演する。「ジャズは生きている。雑多で、そして常に動いている」。そんな主催者の言葉通り、出演アーティストは多岐にわたり、プログラムにはジャズ・ファンが「観たい!」と思うミュージシャンの名前がめじろ押しだ。

世界最大のインドア(屋内)・ジャズ祭
 こんなジャズ・フェス、他にない! 迫力満点のビッグバンドやゴリゴリのストレート・アヘッド・ジャズからコンテンポラリー・ジャズ、フュージョン、ロック、ラテン、ファンク、ソウル、あるいは“DJ電気系”まで、“量”とともに“質”の高さにおいても世界中の他のどのジャズ・フェスもノース・シーにはまず及ばないだろう。目の前でパット・メセニーが演奏しているかと思えば、すぐ隣のステージではハービー・ハンコックやウェイン・ショーター、カサンドラ・ウイルソンらがライヴを行い、1万人収容の大ホールにはポール・サイモンやアリシア・キーズなど“超”のつく大物人気アーティストが登場、さらにクラブ的な雰囲気を醸し出す小さめのホールでは注目の新人が熱演する。こんな状況だから出演するミュージシャン達も否応無しに気合いが入る。自由奔放なこの国オランダのオーディエンスの率直な反応も手伝って、ステージは白熱し、素晴らしいミュージシャンがまたさらにすごい力を発揮する。観客は演奏が気に入らなければどんどん席を立って別のホールへと自由に鞍替えすることができるため、アーティストにとっては、きびしい評価が下されることもあり、これがまた「自然と気合いが入る」要因にもなっているのは疑う余地がない。広い会場内に約15のステージが設けられ、3日間に合計200ちかい数のプログラムが繰り広げられる。ほとんどのコンサートが75分間で、聴いていてだらけない長さでちょうどよい。ノース・シー・ジャズ・フェスティヴァルは、ジャズやジャズのフィーリングを取り入れたコンテンポラリー・ミュージックが好きな人にはたまらない、3日間どっぷりジャズ漬けのオランダ北海のジャズ・マラソンである。筆者は、このジャズ祭を1999年から毎年取材しており、その記事はジャズライフに掲載されている。だいたい毎年9月号。興味のある方はぜひそちらもご覧になっていただきたい。ジャズライフに掲載されたノース・シーの記事の一部はこちら >>

 ここでは、2008年7月11日から13日まで盛大に開催されたジャズ祭の会場内の様子を写真で紹介してみよう。

1万人収容の大ホール“ナイル”
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会場内でもっとも大きなこのステージには、毎年、大物ミュージシャンが数多く登場する。開催第33回目となった2008年は、ポール・サイモンやジョージ・ベンソン、アリシア・キーズ、メイシオ・パーカー他が出演した。写真は、2008年7月12日(ジャズ祭の2日目)に行われたチャカ・カーンのコンサート。

2番目に大きな6000人収容“マース”の舞台の袖から
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アンジェリーク・キジョー(vo)・バンドのパーカッショニスト、イブラヒム

ステージ以外にも……
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飲み物や食べ物のスタンドも充実。さらに、Tシャツやキャップ他のマーチャンダイズ(ジャズ祭グッズ)をはじめとして、古いジャズのレコードやCD、サックスやギターやパーカッション等の楽器、ミュージシャンの写真やポスター、アート、アクセサリー等を売るお店も設けられている。
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ちょっと異様なオブジェ! よく見るとサックス・プレイヤーだった。

ちょっと失礼、楽屋拝見
 ここだけ2007年のショット。
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大ホール“ナイル”のバック・ステージにあったケイティ・メルア嬢のドレッシング・ルーム(上)と、その2時間後に行われた彼女のステージ(下)。2007年7月13日撮影。
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3日間にのべ7万人の音楽ファンがアホイに集まる
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会場入り口の手前右側にもステージが設けられ、ファンキーなソウルやブルース・バンドなどが入場を待つファンを楽しませてくれる(上)。
こちらは、入場してくる人々を会場内のプレス・ルーム前から見たところ(下)。
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ジャズライフに掲載されたノース・シーの記事の一部をみる >>

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by ReijiMaruyama | 2008-07-31 23:59 | Jazz Festival