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第4回:デイヴィッド・“フューズ”・フュージンスキー

 「何でもあり」。フュージンスキーのギター・スタイルを一言でいえばそんな感じか。彼のプレイについては、“変態”などと形容されたりすることもあるが、これはあまりにも安易な表現だ。通常のギタリストとは異なるフューズの大胆で繊細な演奏スタイルは、変態的でも偏執狂的でもない、いわば“実験的”であり“知的”である。そして、さらにそれが単なる“頭でっかち”ではなくて、豊かな感性とインスピレーションに溢れているのだ。
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David "Fuze" Fiuczynski

“フューズ”が語る自らの作曲とアレンジの方法
 フレットレス&フレッテッドのダブルネック・ギターを使った不可思議サウンドを連発するフュージンスキー。その腕を買われて、昨年から上原ひろみ(p)のバンド・プロジェクト(SONICBLOOM)にも参加している。写真は、フュージンスキーが自己のバンド、スクリーミング・ヘッドレス・トーソス(SHT)を引き連れて2001年3月12日にケルンでライヴを行ったときのショット。フュージンスキーにはこれまでに何度かインタヴューにつき合ってもらい、その記事はいずれもジャズライフに掲載されたが、はじめて会った時(2000年4月25日)に曲作りやアレンジについて尋ねたときの彼の答えは次のようなものだった。

 「作曲はギターですることが多い。自分の作曲方法について考えてみると、僕は、コンポーザ-というよりも音楽の狩人であり収集家だね。膨大な量の”音のカタログ”を持っているんだよ。たとえば、ロナルド・シャノン・ジャクソンやジョ-・ザヴィヌル(kb)のメロディ、ビリ-・ハート(ds)、ジャック・ウォルラスやマハヴィシュヌ・ジョン・マクラフリン(g)のハーモニー、ファンクやロック、ハウス、スカ、レゲエ、ヒップホップ、ドラムンベースやテクノ、R&Bのリズムなど、面白いと思ったものは何でもキープしてある。曲作りは、それら音楽要素のひとつからスタートすることもあるし、最初に曲のフォームを決めてしまうこともある。すでにある曲の形式を取り入れてグルーヴを変えてみたり、材料を重ね合わせてサンドイッチにしたりという具合にね。
 曲をアレンジする時には、何か新しい特別な事をやろうなんて思わない。SHTの1枚目(『スクリーミング・ヘッドレス・トーソス』)で、マイルス・デイヴィス(tp)の「ブルー・イン・グリーン」をレゲエ&ロックの曲に書き変えた。スティーヴン・キングの『ヴァンパイア』という小説にインスパイアされた歌詞には、聖書の1節から抜き出した言葉も組み込んである。同様に、ハウス・ビートを使った「Cult Of The Internal Sun」(作詞作曲はフュ-ジンスキー)は、7/4・8/4・8/4・7/4という変則リズムと型にはまらないマイナー・コードの動きが重なり、どこかで聴いたことがあるようだけど、ちょっと変わった仕上がり。そういうことが単純に好きなんだ。 まったく異なる要素がうまく反応しあった時にすばらしい結果が生まれるのさ」。

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by ReijiMaruyama | 2008-03-16 02:36 | Musician / Interview